この本は東洋哲学をかみくだいて説明した本だ。
めちゃくちゃおもしろい。
もう10回は読んだ。
楽しく読めて、心が軽くなる。
なんか自分って小さいことで悩んでるんだな、と思える。
東洋哲学は仏教や老荘思想のこと。
東洋哲学は「世界はフィクション」だとか「自分などない」という。
これまでも東洋哲学をわかりやすく解説した本はあったと思う。
しかしこの本の最大の特徴は、
著者が体験や挫折をおりまぜながら、東洋哲学をおもしろおかしく解説してくれる、
という点だ。
ニート、東洋哲学と出会う
著者のしんめいPは、(元)ニートだ。
30代で無職になり、実家の布団に引きこもっていたらしい。
虚無感がやばかった。
そして、東洋哲学と出会い、この虚しさから脱出した。
ニートと東洋哲学。
この親和性は高い。
私も引きこもりの期間、老荘思想にハマった。
現実世界と折り合いがつかない気がして、ひきこもる。
と同時に、なぜ自分は人と違ってうまく社会に溶け込めないのかという疑問が生じる。
「コミュニケーション術」とか「マインドの持ち方」などのスキル本や、もしくは哲学的な本を読み始める。
でもいまいちピンとこない。
仮にコミュニケーションを学んで自分をカスタマイズしたところで、根本的な問題が解決する気はしない。
そして、ニートは東洋哲学と出会う。
東洋哲学は「世界はフィクション」だという。「自分などない」という。
はじめて自分のことを理解してくれる本があった!
自分が世界とうまくいかないのは、世界がフィクションだからじゃね?
と思う。
しかしここに分かれ道がある。
一つは厭世的になる。
もう一つは、現実をフィクションと考えつつも、世界がひらけていく。
著者がいうように
「東洋哲学は劇薬である(『自分とか、ないから。(p.12)』」
のだ。
『自分とか、ないから。』は東洋哲学の道しるべ、となる本だ。
もっと早く出版されていたら、私はもう少し早くひきこもりをやめれたかもしれない。
著者の言語化力がすごい
この本では7人の思想家が登場する。
ブッダ、龍樹、老子、荘子、達磨、親鸞、空海。
順番に思想が紹介されているのだが、とにかくおもしろい。
で、わかった気になる。
それは著者のしんめいPが、思想家が言わんとすることを現代に置き換える天才だからだ。
しんめいPの挫折を通して、東洋哲学が紹介される。
だから、わかる気がする。
そういうことあるよね、と腑に落ちる。
あまりに身近なことに置き換えられていくので、
あれ老子って最近まで生きてた?
ってなる。
著者、人生が変わる
東洋哲学を学ぶうちに、しんめいPは人生が大きく変わった。
というか、「はじめに」と「あとがき」を同じ人が書いたとは思えない。
この本は、ニートが東洋哲学と出会い、挫折を癒しながら覚醒?していく本でもある。
それを読者も没入して体験できる。
心にもやもやを抱えている人は、読んでほしい。
本当におすすめです。
まとめ
何回も書いたが、この本すごい。
東洋哲学についてとてもわかりやすく書かれている。
そして読んでいて何回も声に出して笑ってしまう本は初めてだ。
私は心が疲れたときに、何度も読み返しています。
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