お前は未だに人生に対して真剣になっていない。
すぐになびく、すぐに気が変わる、一貫性がない。
お前は、お前の人生というゲームに参加していながら、責任を持とうとしていない。
お前は生まれたときからずっと主体的でない。
常に他人であるかのように生きている。
頭が痛い。
とても悲しいことだ
お前の人生の舞台が行われているにも関わらず、お前は客席に座っている。
そしてお前は、まわりの人間の反応に聞き耳を立て、それに合わせてリアクションをするだけだ。
じつにつまらない人間
お前は目の前に広がる劇にとても退屈している。
永遠のループ
くだらない日常
不安
どうして舞台に立たないのか。
疲労
ぽつり、ぽつりと人は立ち去り、とうとう観客はお前一人になってしまった。
それが歳をとるということだ。
しかしお前はそれに気づいていない。
まだ周囲の反応を伺い、同じリアクションを取ろうとする。
静寂
無反応
お前はいつの間にか、最前列に座っている。
近すぎて、全景がよく見えない。
誰も立っていない舞台上で、時計だけが進んでいく。
ようやく舞台にあがろうかという気が起きはじめ、少しだけ身をのりだす。
目の前には文字盤が大きく広がり、
長針が0を指す。
暗転
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